君はなんて幸せそうに笑っているんだ。
幸せなんだね・・・。
俺はいまだに君一人だけを思って誰とも結ばれていない。
俺には君だけなんだ。
でも・・・君が幸せならそれでいい・・・っ
それでいんだ・・・っ
「おじさん、だぁれ?」
「!!」
可愛らしいその声に振り向けば、そこには・・・
「か、カガリ・・・っ!?」
きょとんとしたつぶらな瞳でこちらを見上げてくる、俺が大好きだった蜜色の髪の少女。
「?違うよ、カガリはママだよ。わたしはカガ子だよ?」
「!・・・そ、そうか・・・そうだよな・・・」
そうだ、カガリはジョンソンと結婚して今幸せに暮らしているのだ。
今ここにいる少女はカガリではないんだ・・・。
「・・・うっ、うぅっ」
「おじさん!?どうしたの、どこか痛いの?」
「・・・・・!」
「よしよし、よしよし」
泣き出した俺を優しく包み込む小さな手。
あぁ、こんなところまで君は彼女にそっくりなんだね・・・。
こんなに可愛いいい子が俺の子じゃないなんて・・・っ
「ごめんよ・・・カガ子ちゃん。おじさん、目にゴミが入っちゃったんだ、ははは!」
「そうなんだ?大丈夫?」
「あぁ、もう大丈夫さ!」
「おじさん、一人ぼっち?カガ子がお嫁さんになってあげようか?」
「・・・カ、カガ子ちゃんっ」
カガ子ちゃんの優しさに、俺は涙を拭う。
にっこり笑ったその笑顔まで彼女とおんなじで・・・俺の胸はきゅんと鳴った。
その時、遠くから、愛しい声が聞こえてきた。
「カガ子ーーー!!」
「・・・っ!!」
その声は、俺が愛していた・・・いや、今も愛する人の声。
「あ、ママだ!ママが呼んでるっ」
「そう・・か」
「おじさん、ママに紹介してあげるっ、おいでよ!」
無邪気に喜ぶカガ子ちゃん。
けれど俺は・・・
「ごめんな、カガ子ちゃん。君のママに会うことはできないんだ」
「えぇ〜、どうして?」
「・・・それは・・・」
それは、俺がまだカガリを愛しているから。
君がどんなにカガリに似ていようと、俺が愛しているのはカガリだけなのだ・・・っ
「すまない、カガ子ちゃん!さようなら!」
「あ、おじさん!おじさん!おじさーーーん!!」
さようなら、カガ子ちゃん!
そして俺の愛する人、カガリーーー!!
どうか、幸せに・・・!幸せにいいぃぃぃっ!!!
というのを一晩中想像していた俺は眠れなかった。
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