カガリを家まで送ったあと、俺はプロポーズを迷い始めた。


カガリに拒否されたら、立ち直れないのかもしれない・・・。
やる前から諦めるのなんて自分らしくないが、カガリのこととなると別だ。

 

 

いつも不安で仕方がない。

不安で、不安で、好きすぎて仕方がない

 

「カガリ・・・・・・・」

 

カガリが今日俺にプレゼントしてくれた服を見た。

これを贈ってくれた時のカガリは本当に幸せそうに笑ってくれて、
自分が愛されていることが、自惚れなんかじゃないとわかる。

 

「カガリ・・・・・!」

 

俺は自分の中にあった暗い考えを振り払い、今度は1人であの店へと向かった。

 

 

「指輪は、好きな人にしか贈られたくないものです。」
俺の頭の中に、さっきの店員の言葉が流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、彼女が指輪を欲しい相手は、俺だけだ。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


 


彼女への贈り物はこれが初めてなんかじゃない。
何度もいろんなものを贈ってきた。

 

けれど、今、手が震えている。

これから自分で叶える未来を想って震えているのだ。

 

 

 

「すみません・・・」
「あら!」
「これを・・・・・」

 

うまく言葉が紡ぎ出せなくて、こんなんで本番が成功するのかどうかさえ自分で心配してしまった。


会計を終えた後、ありがとうございますの変わりに店員が言った。

「頑張ってくださいね」

俺は首を1度振った。

 

絶対叶えてみせる。俺の、カガリとの未来。

 

 

 

 

 

 

家に帰ったらすごく遅い時間になってしまった。
今から疲れているだろうカガリに会うのも申し訳無くて、
俺は今日購入した、カガリへの最愛を込めた贈り物を自分の枕元に置いた。


「明日・・・・」

 

明日、彼女に全て伝える。

胸の中にある不安も、歓びも、何物にも代え難い幸せも・・・
全て伝えるのだ。

 


「・・・・・・・カガリ・・・・」

 

世界一大切な愛するその名前を呟いて眠りについた。

 

 

 

 

 


その日、俺は夢を見た。

 

「おかえり!」と元気な声で出迎えてくれたカガリ。

「ただいま」と、そんなカガリが可愛くてキスをする俺。

カガリの手作りの料理を俺が食べていて、それがすごく美味しくて、

目の前には家事に励むカガリの姿。

 

 

彼女の背中が愛しくて、「美味しいよ」と声をかけると、
赤くなった耳が見えた。
それだけのことが、胸をぽかぽかさせて、幸せにしてくれる。

夢だとわかっているのに、それはとても温かくて、幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 



「・・・・・カガ・・・・リ・・・・あい・・・し・・てる・・・」

 

 

 

 

 

 

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