大好きな彼女とすごす穏やかな昼下がり

 

 

 

SUNDAY

 

 

 

 

 

紅茶とシフォンケーキをつまみながら何気ない会話を楽しんでいたとき、いつものように優しく微笑みながら彼女は言った

「あら。もうこんな時間ですわ。」
「なにかあるの?」
「ドラマの時間なのです」
「ドラマ・・・?」

 


正直意外だった。
僕はあんまりドラマを見たりしない。
カレッジに通ってた頃は、よくミリアリアが話しのネタに持ってくることはあったが、ラクスがそういうものを好きだということを初めて知った。

 


なにより

 

「芸能人もドラマなんて見るんだね」
「あら。芸能人だって同じ人間ですわよ?」
「あ・・・ごめん!」
「ふふふ。いいえ。」

 

なんて馬鹿なんだ。
ラクスだって普通の女の子なのに。
自分の無神経さがイヤになる。

それでも彼女が微笑んでくれてることにほっとしながら、紅茶を一口すすった。

 

「実は・・・・ドラマの出演依頼がきてまして」
「へぇ・・・・」
「決めかねているところなのです」
「どうして?引き受けないの?」
「それは・・・・」

 

ドラマの出演はラクスにとっていい経験になるかもしれない
何より僕自身が見てみたいかもしれない。

 

「キラは・・・」
「ん?」
「キラは出演したほうがよいと思いますか?」


彼女がこんなこと聞くのは珍しい。
彼女はふわふわしているイメージと違って、中身は僕なんかよりもずっとしっかりしている。
自分のしたいことするべきこと、きちんとわかっているその強さに惹かれたわけだけど、こうやって頼られるのは男としてはやっぱり嬉しい。


「出演してみなよ?いい経験になるよ?」
「そうですか・・・・」

なんだかぱっとしない彼女に疑問を抱きながらテレビに目をやる


「ラクスの見たいドラマ見よう?」
「・・・すみません。つき合わせてしまって」
「いいよ。いっしょに見よう」


僕がそう言うと、ラクスはチャンネルをかえた


僕とラクスの視線はテレビに向かう。
ちょうど始まったところだった。

綺麗なBGMとともに、きらびやかな甘い世界が流れている。
どうやら思いきり恋愛物らしい。
ラクスらしいと思いつつ、僕は画面に見入った。

 

 

 

 


甘い台詞がとぶ

 

 

 

 


抱き合うシーンやキスシーンやら・・・・
・・・・なんだか照れてしまう

横目でちらりとラクスを盗み見ると、平然としている
男の僕がここで慌ててたら格好がつかない。
僕も負けずに平然とする・・・・・・しているつもりだ・・・・

 


CMに入ったところで、ラクスが視線を画面から僕に移し変えて言った

 


「このドラマを書かれてる方からのオファーですの」
「え?」
「さきほどの出演依頼のお話です」
「あぁ・・・それで見ようと?」
「はい。まずはどんなお話を書かれているか知っておかなくてはいけないと思いまして」
「そうだね。」

 

やっぱりラクスはしっかりしている。
僕はただ見てるだけだけど、きっと彼女はいろいろ考えていたに違いない、うん。

 

そんなことを思っていると、CMが終わった。

 

「はじまったよ。続き見よう?」
「はい」

 

 

そうして2人で画面に目をやった

 

 

た流れるのは甘い世界
甘い言葉
甘いシーン
愛してると言い合うもの同士

 

 


きらびやかな世界はやっぱり照れてしまう。

 

 

 

 

 

 

ふと考えた

 

 

 

 

 

 

ラクスもこんな風に・・・・・・・

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・こんな風に?

 

 

甘い言葉を囁くのだろうか?

幸せそうに抱きつくのだろうか?

知らない誰かと甘いキスをするのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやだ

 

 

 

 

 

 

 


それは僕だけの特権だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「キラ?」

エンディングが流れはじめたことにも気づかなかった
ラクスはこちらを不思議そうに見つめていた


「あ・・・ごめん・・・考え事しちゃってて・・・」
「そうですか・・・ドラマ・・・お好きではなかったのですね。すみません」
「え?そんなことないよ?」
「でも・・・すごくイヤそうなお顔をされていたから・・・」

 

どきっとした

 

彼女はアイドルだ
今じゃもう、地球でも名の知れた人気者だ。
僕だけの人じゃないってことはわかっている
でも、それでも僕だけの特権は譲れない。

いい経験になるなんて言った手前だ。
度量の狭い男だと思われたらどうしよう?

 

でもきっと彼女は、それでも僕を愛してくれるだろう

 

 


すぅっと息をすって彼女に向き直った。
でも僕が口を開くより先に彼女の口が動いた

 

「やっぱりわたくし、ドラマのお話はお断りさせていただくことにします」

「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

「だって、わたくしあなた以外に愛してるなんて言えそうにありませんわ」

 

 

 

 

 


そうやってにっこりと微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぁ・・・・・

 

これが演技なら、なんて彼女は大物なんだろう

 

 

 

 

 

 

「うん・・・・そうしてほしいな」
「はいっ!」

 

 

こぼれるような笑顔でうなずく彼女に顔が熱くなった
これが演技じゃなくてもきっと彼女は大物だ

 

 

 

 

 

 

だって僕をこんなにも幸せにしてくれるんだから

 

 

 

END

 


キララクは可愛いとしか言いようがない。
ほのぼのしてて、見ててこっちが照れちゃうような。
でも本人たちは自覚なし(笑)
あぁ!大好きだ!!

 

 

 

BACK

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送