2人の休日・土曜日     Side  C

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ワケあってしない・・・できない、日の朝はアスランよりも先に起きる。

 

 

 

朝7時5分
朝の空気を感じて目が覚める。
隣にはアスラン。起こさないようにベッドを抜けた。
こっそりおはようのキスを1度した。
・・・・・・・・・・・・なんだかアスランの口元が緩んだ気がする。


7時26分
顔を洗って服を着替える。
今日の新聞を広げてみたら、おもしろそうな番組がいくつかあった。
アスランと一緒に見よう。楽しみだ。


7時38分
その後に真っ先に向かうのはキッチン。
朝は食べないというアスランの生活習慣も、最近では私に合わせてちゃんと3食とるようになった。
妻・・・・・と、して頑張ってるかいがある・・・・。
つ、妻・・・と・・し・・て・・って・・・何か照れるな・・・。


7時41分
冷蔵庫から卵を取り出して割った。
フライパンが卵を焼く音はとてもいい音だ。
食べてくれたアスランの笑顔を思い浮かべることができて、幸せになれるから
調理をする時間がとても好きだ。


7時58分
アスランを起こしにベッドルームへ。
「ん・・・・・おはようの・・・キス・・・・」
なんて言ったから、キスのかわりに一発ゲンコツを食らわせた。
・・・・・・・・・・・・・・でもなんだかちょっとだけ可哀想になって、短いキスをしてあげた。
さっきと同じように口元が緩んでいる・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。狸寝入り男め。


8時15分
身支度を整えたアスランがテーブルにつく。
新聞を広げて難しそうな記事に見入る。
私はブラックコーヒーの入ったカップを手渡した。
飲みながら、政治経済の記事を読むアスランは・・・・悔しいけれどかっこいい。


8時40分
皿の上のものを綺麗に平らげてくれたアスラン。
「ごちそうさま。美味しかったよ」
毎回必ず私にこう言う。なんだか照れる。アスランは恥ずかしくないのだろうか?


9時10分
窓の外を見ると、太陽が眩しく輝いていた。
「天気がいいからどこか行こうか?」
・・・・・・・・・・・・嬉しいけれど、すごくすごく嬉しいけれど・・・・
折角の休みなんだから、身体を休めたらどうだと言った。
「折角の休みなんだから、喜ぶカガリを見たいんだ」
と、言ってくれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりすごく嬉しくて、2人で出かけることにした。
私の負けだ。


9時54分
支度を整えて車に乗り込む。
今日はオープンカーじゃない車。
助手席に乗るのが大好きだ。
「どうした?こっち見て」
べ、別になんでもないぞっ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・アスランが隣にいるから助手席が大好きなんだ。
これは言ったことないけれど。


10時00分
ドライブをしながら行く先を決める。
「少し遠いけど、前カガリが行きたいって言ってた水族館、行くか?」
びっくりした。
だって、行きたいって言ったのはずっと前。
本当に日常会話の中で1度言ったきりの言葉だったのだから。
覚えていてくれたことにびっくりだ。


10時5分
音楽をかける。
音楽と言えば、意外にもアスランはクラッシックが苦手だったことを思い出す。
これからもずっと一緒にいて、好きなもの、苦手なものを知っていくのだろうか。
なんだか、それはとても幸せなことのように思えた。


10時35分
喉が乾いたなと呟いたら、自動販売機を見つけて飲み物を買ってきてくれた。
手渡されたジュースは私の好きなもの。
アスランは私の好きなものをいっぱい知っていてくれる。
それもとても幸せなことだ。
ありがとうと言ったら、嬉しそうに笑ってくれる。
やっぱりとても幸せだ。


11時12分
水族館に到着した。とても大きい外観だ。
専用駐車場もけっこう大きい。
車を停めて車の外にでる。暖かい天気が気持ちいい。
思いっきり深呼吸したら、アスランが笑った。


11時20分
土曜日ということもあって、水族館は恋人同士、友達同士、家族連れ、
たくさんの人で賑わっていた。
チケットを買いにアスランがインフォメーションセンターへと行ってる間、
大人しく外で待つ。
そこへ知らない男がやってきた。
「彼女ひとりー?」
なんだかちゃらちゃらした男だな・・・・。アスランとは大違いだ。
最初こそ適当に返事を返していたが、あまりにしつこいので無視をしていたら、
アスランが戻ってきてくれた。
「俺の妻に、何か?」
すごくドスの聞いた声だな・・・・。
男はアスランを見るなり逃げるように走り去っていったけど・・・・
それより、なんだかアスラン、怒っている・・・・。


11時26分
入館したのはいいが・・・やっぱりアスランは怒っていた。
いつもあまり喋らないけれど、今はいつもの倍は無口だ。
なんだか悲しい。笑っていてほしいのに。
「・・・・・・・・・・あ・・・・ごめん・・・・」
しゅんとしていたら、アスランが謝ってきた。
「カガリが他の男に声かけられたの・・・妬いただけ・・・だか・・ら・・・」
語尾は弱い。言っていて恥ずかしいのだろう。
私はなんだか嬉しくて、周りの人たちが水槽に夢中なのを確認してから、
背伸びしてアスランの頬にキスをした。
「・・・・・・・・・!」
キスをした後のアスランは、すごくすごく機嫌がよかった。


12時3分
ペンギンを見つけた!可愛い!
私のテンションは上がった。
アスランの機嫌もさっきからずっといい。
にやけてるぞ、おまえ。恥ずかしいやつめ。


12時27分
イルカショーがあることを知る。
何も言ってなかったのに、アスランはそのチケットも取っていてくれたみたいだ。
どうして見たいってわかるんだろう。
アスランは、すごいなと思う。
・・・・・・・・・・・・・あ、愛されてるなって思う・・・ぞ・・・・。


13時00分
イルカショーが始まる。
当日とったチケットだったから、席は1番後ろだった。
「ごめんな」
って謝るアスラン。
どうして謝るのかわからない。私はこんなに嬉しいのに。
だからまた周りの人がイルカに夢中になってる事を確認して、こっそり頬にキスをした。
アスランの機嫌がまたよくなった。


13時45分
イルカショー終了。
とても面白かった!
イルカ飼いたいなぁと独り言を言ったら、アスランに笑われた。
もう!笑う事無いだろっ!冗談なんだから・・・・。・・・・・ほ、本当に冗談だからな!


14時10分
アスランと2人で何かお土産を買うことにした。
そういえばこの間、ラクスから貰ったチーズケーキのお礼、まだ何もしていない。
だからラクスとキラに何か買うことにした。
水族館のすぐ隣にお土産を売っているところがあるらしい。
そこを目指して歩きだした時、事件は起こった。

ぐぅぅぅうううう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・っく!!」
笑うなよ!!!
私のお腹が豪快に鳴ったのだ・・・・。
アスランはお腹を抱えて必死に笑いを堪えている・・・いや笑っている・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「・・・遅くなったけど、先にお昼にしようか?」
恥ずかしいけれどそうしてくれ。

 


14時16分
レストランへ入った。
メニュー表を開いたら、写真付きのメニューが美味しそうで目移りする。
なんだか食い意地の張った女だな・・・・。
「カガリ何にする?」
ナスとトマトのスパゲッティーかな・・・・チキンドリアも捨てがたいけど。
「それじゃ、俺がドリアを注文するよ。俺の少しあげるよ?」
・・・・・・・・・・・・・・・本当に私に甘いやつだな、おまえは。


14時29分
さっき見たイルカの話をしてるうちに、ウエイトレスが注文した品を持ってきた。
「いただきます」
アスランの礼儀正しい声で食事が始まる。
スパゲッティーをフォークに巻きつけて口にする。なかなかに美味しいぞ!
アスランがドリアをすくってそのまま私の目の前に差し出した。
・・・・・・・・・・・・・・食べろ、と?
「はい、あーんして」
恥ずかしいこと言うなよなっ!
・・・・・・・・・・周りの人の視線を確認して、口に入れた。
こちらもなかなか美味しかった。けれど
「カガリの作ったほうが美味しいよな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。本当に恥ずかしいやつだな。・・・・ありがと。


15時22分
食後の紅茶を飲みながら、またイルカの話。
自分用のお土産に、イルカのグッズを買おうと決めた。


15時37分
レストランを出て土産屋へ。
思っていた以上に大きなところだった。
小さなイルカの枕が可愛くて、自分とラクスと、2つ買うことにした。
最後までイルカの携帯のストラップと迷ったけれど。
キラにはお菓子を買う。あいつ、甘いもの好きだからなぁ・・・。


16時20分
買いこんだ物を持って車に乗りこむ。
なんだかけっこう大荷物になってしまった。
荷物を後ろの座席に置いたところでアスランが小さ目の白い袋を取り出した。
手渡されたんで開けてみる。
イルカのストラップだった。
「気に入った?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん!!


16時40分
運転するアスランと楽しくお喋りする。
アスランといっしょにいる時間はとても楽しい気持ちになれるけど、
同時にすごく温かくて心地よくて眠くなってくる・・・。
だ、ダメだ・・・!
運転してもらってるアスランに悪い・・・!

だ・・・から・・・・ねむ・・・・ら・・・・

 

 

 

 

 


「・・・・・・・・・・・カガリ・・・・・・・・」
ん・・・・なんだよぉ・・・・
「・・・・・・・カガリ・・・ついたぞ、起きて・・・」
ん・・・・・・・・・・あと・・・5分・・・・
「家に入ってベッドでゆっくりしたほうがいいから・・・」
・・・・・・・・ベッド?ここはベッドじゃないのか・・・・?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!

私の眠気が一気に吹っ飛んだ。
ごめん!アスラン!!

 

 

 


17時25分
早いけれど、お風呂に入って今日の疲れと眠気を落とした。
アスランがいっしょに入りたがっていたけど・・・・
今日は勘弁してほしい。
女はこういう時、困るよな。


17時55分
アスランがドライヤーを持って待っててくれた。
ソファーに座ると後ろから温風で乾かしてくれる。
とても気持ちがいい。アスランに髪を乾かしてもらうのが好きだ。
優しく触れてくる、アスランの手が大好きだ。


18時7分
髪を乾かし終わると、交代でアスランがお風呂の時間。
その間に冷蔵庫の中をチェックする。
今ある材料で、夕食を何にするか決めるのだ。
昼食が遅い時間だったからあまりお腹が空いていない。多分アスランもそうだろう。
軽いものにしようかな。


18時29分
アスランがお風呂から出てきた。
濡れた髪を、今度は私が乾かしてあげる。
ドライヤーでアスランの髪に触れながら乾かしていると、
幸せそうにアスランが微笑んでいた。
・・・・・・・・・・わ、私もこんな顔してるんだろうか・・・?


18時37分
2人でテレビを見ながら夕食はオムライスとスープでいいかと聞いてみた。
「いいよ。カガリの作ったものなら何でも美味しいから」
そう言うと思ったぞ。・・・・・・・アスランは優しいから。
頑張って美味しいオムライスを作ろう!


19時00分
・・・・・・・・・・・・少し・・・・お腹が痛い・・・・

19時5分
アスランがベッドへ連れて行ってくれた。
救急箱から薬を持ってきてくれる。
どうして私は女なんだろうか。
いつもはそんなに痛まないのに・・・・・・・。
痛がる私の腰をさすってくれるアスラン。
ごめんな。美味しいオムライス作ろうと思ってたのに・・・。


19時50分
少し楽になったのに、起きるのをアスランに止められた。
そしてスープを作ってきてくれた。
冷蔵庫の野菜室にあった野菜をたっぷり入れたコンソメスープ。
美味しそうだ。

 

 

 

 

20時20分

 

 


薬が効いてきたのか、お腹がいっぱいになったからか、眠くなってきた。
後片付けもアスランに任せてしまったし・・・

折角の休日、アスランにばっかり働かせてしまった。
オムライスも作れなくって、何もできなくって・・・・。

 

だからなんだか泣きたくなって、アスランにワケのわからない愚痴を零してしまった。

女じゃなかったらよかった、って。

 

「カガリが女性でよかったよ」

 

重くなる瞼。アスランの声が心地よい。

 

「俺の・・・、・・・・産んで・・・ほしいし・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・ん?今、なんて言った・・・・?
俺の、・・・なんだ?
わからないけど、なんだかすごく幸せな言葉のような気がするぞ・・・

 

「・・・・・眠い・・だろう?」

 

ううん・・・・・・・。まだ・・・・・・アスランと喋って・・・い・・たい・・・

 

「明日、オムライス作ってくれ・・・」

 

・・・・・・・うん。作る。・・・・・・・・・美味しいの作るぞ。

 

 

「・・・・・・おやすみ、カガリ」

 

 

・・・・・・・・・・・・おやすみ、アスラン。

 

 

 

 

先に、寝ちゃうけど・・・アスランよりも先に起きて、またおはようのキスをこっそりするから。

また、おはようって、笑ってくれ。

 

 

 

明日が楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END


アスラン愛を語るカガリ。
バカップルですね(笑)。

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