指輪

 

 

 

 

 

1度抱き合えば幸せなけだるさに包まれる身体が、互いを離したくないとどこかまだ繋がりを求めてしまう。

だからだろうか。
右腕をカガリの枕にして、抱きしめた時に彼女の髪を梳いていたアスランの左手に、
ぎゅっと、カガリが自分の手のひらを重ねてきた。
それをいつものようにアスランはそっと絡める。
先ほどの熱くとろけるような繋がり方ではないが、それでもどこか胸を鳴らしてくれる甘い繋がり。


ぎゅっと握り返してくれた手が嬉しくて、カガリは微笑んだ。
額に汗が浮かんでいて、けだるさの残ったような艶やかなその微笑む表情に、
カガリに気付かれぬようアスランは自分の息ごと少し湧き上がりかけた欲望を飲みこんだ。

「アスランの手って、おっきいよな」

絡めあった指を、ほんのわずか動かしながらカガリは言う。
そんな小さな動きでさえ愛しくてたまらないアスランは、その目を細めて繋がっているカガリの指を優しく握り返した。

「男だからね」
「そっか」
素直に納得した彼女が可愛くてたまらない。
アスランの指をカガリが握り返していたと思えば、愛しそうに指先をなぞっていく。
たったそれだけのことが、興奮してしまうほどの快感になっていく。
指先も心もくすぐったい。

「カガリ・・・・・」

負けじとアスランもカガリの指を自分の指でつたっていく。
カガリもくすぐったいのか感じているのか、小さく震え出す姿がまた自分を誘っているようだった。

 

甘すぎる時間に、カガリが少しだけ恥ずかしがって雰囲気を変えようとアスランに向かって言う。

「手・・・どれくらい違うかな」
「ん?」
「広げて」
「こう?」

少し寂しい気もしたが、先ほどまで2人を繋げていた指先を離し、アスランはカガリに向かって左手を広げてみた。
彼女が右手を重ねて手のひらの大きさを測るのだろうと思っていれば、
何かを思いついたのか、暫くその手のひらを見ていたカガリが差し出したのも左手だった。

そして、手のひらを合わせるのではなく、たった1つの個所にだけに重ね合わせた。

その個所は、カチリ、と、2人の絆の証でもある指輪が重なる音を1度だけ鳴らす。
幸せの音を聞いて、カガリは笑った。

「へへへ。おそろい、だな?」

その瞬間、その一瞬でアスランには泣きたくなるほどの幸福感と、
今、2人が誰にも阻まれない位置にいることを思い出させてくれる。
先ほどの熱いまどろみの最中では見せてくれないような年の割には子供っぽい愛らしい表情。
それだけでも、その言葉とともに欲情してしまう抑えの効かない自分。

可愛くて、可愛くて、だから仕方がないのだ。
今だってこれ以上ないくらいに幸せすぎるのに、もっと、を求めてしまう。

 

「もっと・・・・繋がりたい」

 

指先だけじゃ足りない。
心も身体も、自分しか感じられなくなる瞬間を、もっともっと見てみたい。

カガリのその左手をぎゅっと握り返して、その指に口付けを落として、
誰にもこの瞬間は渡さないと、心から誓いながら柔らかな唇を奪う。

そして、優しいだけのキスを終えると、アスランは眉根を下げカガリに言う。

「・・・我侭だな、俺は」
「うん、そうだな」
「こら、言ったな」

くすくすと笑い出したカガリの唇を塞いで・・・今度のキスは優しいだけなんかじゃない。
けれどそれを待ち望んでいたかのように受けとめてくれるカガリ。
アスランはそれを恍惚として両手は彼女の身体をまさぐり、彼女にしか見せない熱い攻撃を開始する。

「・・・・あ・・」

洩れた声さえ全て自分のものだと、そこまで彼女に執着してしまう自分に苦笑しながらも
抑え切れないこの気持ちをぶつける相手がカガリでよかったと、心から思う。
滑らかな肌の中、自分が知らない場所などないと、全ての人の前で言ってやりたい。
もちろん、そんなことすれば本気で彼女を怒らせてしまうだけということをわかっているから、
どんなにそう思っていても、なんとか押し止めている。

カガリは知らない。
我侭は我侭でも、こんなにもたった1人の君を渇望する男だなんて―――

 

「あ、・・・アスラ、ン・・・あの・・」
「な、に?」

彼女の震える唇から聞こえてきた自分の名に、アスランは唇を彼女の胸に寄せたまま尋ね返した。
その間も、両手は柔らかな感触を感じ続けている。

「私も・・・・・キス、したい・・・」

アスランの動きが止まる。
普段は恥ずかしがりやな彼女はあまりこう言う事を言ってくれない。
だからこそたまに聞くことのできる誘惑には、たった一言でも眩暈が襲いくらくらしてしまう。

「いいよ・・・?」
「・・・うん」

上半身を起こして、精一杯口付けてくる彼女。
不器用でたどたどしくて、でもわずかに触れる唇だけでわかる。
愛してると言う言葉が唇から伝わってくるのだ。

だから彼女も、同じでいてくれてるのだろうか。
この指輪をつけた瞬間から、同じような思いを胸に持ってくれているのだろうか。


 

たった1人の男を、渇望していてくれる?

 

潤み始めた瞳で彼女を見つめたら、その唇がアスランの瞳へと降りて来た。

「・・・・・・なきむし」

君の前でだとこうなるんだ、と、アスランは伝えようとしたけれど、
やっぱりそのキスにまで「愛してる」が込められていて、不覚にも本当に涙を零してしまい、
カガリはその涙ごとアスランに口付け、2人は2人だけの甘い世界へと旅だった。

 

 

 

 

 

 

END

 

珍しく新婚さんシリアスラブ。なのにやっぱり甘い。
今日もアスランはいい思いしてます(笑)。
カガリに愛されてます。うちのテーマですから。
アスランはカガリを愛して同じだけカガリはアスランを愛する。
そして望月はそんなアスカガを愛してる
(それはどうでもいい(笑))

 

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