目を覚ませば幸せな夢から醒めて、さらに幸せな1日が始まる。
結婚した2人にとって誰の邪魔も入ることのない寝室、目覚ましさえも鳴らない休日。

何度同じ朝を迎えても慣れることはないが、それは自分だけなのかもしれないと、カガリは思ってしまう。
いつも自分の旦那様は余裕綽々で悔しいくらいだ。

 

そんなカガリが今、先に目覚めたのは昨夜が激しかったことを思いだせば珍しいことで、
思い出してしまえば身体の熱は何℃も上昇し、アスランにばれてしまいそうでドキドキする。
なにせ素肌のまま抱き合って眠っていたのだ。
彼が起きてしまえば高鳴りはばれてしまうだろうし、それが恥ずかしくて
ベッド下に落ちているだろうパジャマを取ろうと、起こさないようにそっと彼の腕をどけようとした。
が、自分の身体はがっしりと彼の腕に捕まえられていて、どう身をよじろうとその腕がほどかれることはない。

「・・・・・・・・・・・あれ?あれ?」

あまりにも強く抱きしめられていて、カガリは自分の腕にも少し力をこめてみる。
それでも動かない彼の腕。
先ほど起こさないようにと思っていたことも忘れて力の限り引き剥がそうとするが、やはりびくりともしないのだ。

だからカガリはわかった。

「・・・・・・・・こら、起きてるだろ」
「寝てるよ」
「ほら!起きてるだろ!」
「寝てる」

自分の身体を抱きしめている彼の肩が小さな笑いで揺れている。
しっかり起きてるじゃないかと、なんとか力で抵抗しようにもやはり適わないのが悔しい。
力では無理なら言葉でどうにかしなくてはいけない。

「はーなーせーっ」
「俺はぐっすり眠ってるから無理だよ」

どこをどう言い返せばいいかわからないような言い訳をする彼。
カガリは赤くなったその頬を思い切り膨らませ、唇を可愛らしく尖らせる。
私は怒ってるんだぞという表情を作り出すも、彼の腕の中に顔を埋められるほど抱きしめられていれば、その表情を見せることさえできない。
それならばと、ぽかぽかと今度はアスランの背中や肩を叩く。
「って」
アスランの腕の力が緩まった。
カガリはその瞬間を見逃さず、アスランの腕からすり抜ける。
カガリの身体にかかっていたシーツも滑り落ち、ベッドの上で正座のような格好で胸をはる。

「どうだ!」

私の勝ちだ!とばかりにカガリが大きな声をあげた。
元気なところは彼女のいいところだ。・・・・・お転婆とも言うかもしれないが。
そんな彼女の抱きしめ続けていた柔らかな感触が自分から離れてしまったことを残念に思い、
なんとかカガリをまた自分の腕に閉じ込め様と腕を伸ばそうとした時、アスランは目の前にいる彼女を見て動きを止めてしまった。

「・・・・・・・カガリ・・・・」
「なんだ!」

自身満々に、まだ胸を張ってるカガリは気付いていない。
彼の腕からすり抜けることに成功したカガリの身体は、下着1つもつけてはおらず、
白い肌に赤い花びらが散った裸体が、アスランの目の前で日の光を浴びて輝いている。
いつも、ベッドサイドの小さな明かりでさえ「明るい」と恥ずかしがる彼女が、
今、惜しげもなくその美しい肢体をアスランに披露しているではないか。

「なんだよ〜!負けを認めるのが悔しいんだろ〜?」
「いや・・・・・・」
「じゃあ、なんだよ?」
「・・・・・・・・えっと・・・」

暫くその綺麗な身体を見ていたいから、と言えば本気で怒るだろうか。
少しだけ思案したが、隠すのは苦手だし正直に言ってみることにした。

「カガリが綺麗だから・・・・」
「へ?私?」

何を言われたのかわかってないカガリが、目を白黒させて問い返す。
アスランは黙ってカガリの胸のあたりをじっと見る。

「え?何?」

アスランの視線に気付いて、カガリは自分の胸へと視線をやった。
自分の肌色が見える。胸の膨らみあたりの赤いアトは彼がつけたものだと経験上知っている。
肌色、膨らみ、赤いアト。それは何も着ていない自分。

そう、じっとアスランが見ているのは、自分の裸体。

 

「う、わぁぁっぁああ!バカ!」
「いてっ!こら、いまさらだろ?」
「バカ!ばかばか!むっつり助平!」

 

カガリは枕をとってアスランに攻撃し始める。
大して痛くはないのだが、アスランはそれを片腕で防御する。
それにしても、夫に向かってむっつり助平だなんて言う妻が何処にいるだろうか。
恥ずかしがりやな妻はとても可愛いのだが、今、枕で叩かれてる状況はいただけない。

 

だからお仕置きが必要だ。

 

何度目か、彼女が枕を振り上げたとき、それより少し先にアスランは枕を奪い返す。
カガリが取られた枕をまた奪い返そうと伸ばしてきた手を掴み取り、こちら側に引っ張った。
「わ・・・っ」
倒れこむように自分に寄りかかる彼女に、反論の言葉を口にさせる暇も与えない勢いで口付け、
そのまま彼女の言いたいだろう言葉も飲みこむかのように深い甘さを与えた。
「んー!」
さらさらの、太陽の光を浴びて輝く髪を片手でなぞり、もう一方の手は滑らかな背中のラインをすっとなぞる。
「んぅ」
背中で感じた甘い痺れにがくりとカガリの身体の力が抜けたのを確認して、アスランはそのまま彼女の身体をベッドへと押し倒した。

 

 

そっと唇を開放してやると、少しだけ荒くなった息遣いの彼女の瞳が潤んでいた。
好きな子ほどいじめたいというのがよくわかる。
だから、勝ち誇ったように、アスランは言った。

「・・・・・どうだ?」
「・・・・・・う」

言葉につまった彼女が真っ赤になって・・・・視線がさまようその愛らしい姿は何度見たって飽きない。
何度目覚めても慣れることのない幸せ。

そしてできれば、昨晩感じたこの世で1番甘い時間を、今また感じたい。

 

「・・・・・・・だめ?」


「・・・・・あ、明るい・・・し・・・」


「電気は消してるぞ?」


「・・・・・・馬鹿っ」

 

また、今日何度目かわからない彼女の柔らかなパンチが飛んできた。
アスランが痛がるフリをしたら、カガリが満足そうに瞳を閉じる。
カガリのその瞳に口付けて、頬に口付けて、くすぐったいと言ったその唇に口付けて・・・・
次は、アスランの腕の中で甘く暴れることになるのだ。

 

 


そう、この日の朝は、アスランの願う通り、この世で1番甘い時間へとかわっていった。

 

 

 

 

 

 

END


 

久々新婚さんですー!朝ですよ朝!!
もうちょっと進ませようか迷いましたがこのへんで(笑)
やっぱりアスカガ甘い話は描いてて自分が幸せになります〜。
珍しくアスランが黒っぽい。でも白が強いのがやっぱりうちのアスランだ。

 

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