「天気のいい日は外で遊ぶ!!」

愛しい彼女の愛しい声に、誰が逆らえるのだろうか?

 

 

 

GAME  3.5

 

 

 


「よーし!!じゃ、今日は花いちもんめやるぞー!」

元気よく響くカガリの声に、子供達がさらに元気な声をそれぞれあげた。
カガリの提案で、カガリチームと俺チームとでそれぞれ分けられた。
・・・・・心のどこかでアスランと同じチームがいいなvとかを期待していたのだが・・・
やっぱり期待で終わった。いいんだ・・・。もう慣れたから・・・。

「いっくぞぉ!」

カガリの元気な声が響くと、カガリチームの子たちが一斉に動き出した。

「「かぁって嬉しい花いちもんめー」」

そして、こちらも同じように動き出す。

「「負けーてくやしい花いちもんめー」」
「「あの子がほしい」」
「あの子じゃわからん」」
「「そうだんしよう!」」
「「そうしよう!」」


歌い終わると子供達がわぁっと輪になって集まった。
向こう側を見ると、そちらも同じく輪になって相談中。


「ミーナちゃんがいいな」
「うん。」
「カガリちゃんは一番最後にしよう」
「うん、そうだね」

子供達から出た言葉に俺は素直に疑問を浮かべた。
カガリは最後?

「どうして?」
「だってカガリちゃん、最初はグーしか出さないもん」
「ねー」

子供達にバレバレだぞ・・・・カガリ・・・・

まぁ、そんな単純なところも可愛くて仕方ないのだけど・・・。
俺チームは、ミーナに決定した。
・・・・・・・・・えっと・・・カガリがいい、なんてことは言ってない。すごく言いたかったけど・・。

 

「「決ーまった!」」

先程と同じく元気な声が向こうから響く。

「「アルフレドくんがほしい!」」
「「ミーナちゃんがほしい!」」

 

 

 

 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうやってゲームは続けられていった。

そしてその勝負はとても面白い展開になった。
カガリチームがこちらの子を引きこめば、こちらも負けずと奪い返す。
そんなのを何度も繰り返していたが、気付けば
いつのまにか女の子チームには、カガリだけとなった。

「…絶対負けないからなッ!!」

1人になっても相変らず元気がいい。
負けん気の強さも彼女の魅力だ。
あぁ、もう、なんだか可愛くてしかたがない。


「らくしょうだねー」
隣にいたアルフレド7歳、がぽつりと言った。
そりゃそうだ。
カガリはグーしかださないのだから、もう勝ったも同然だ。

カガリが誰を選んでも、パーを出せばこちらの勝ち。

カガリは一体誰を選ぶのか。
彼女のことだ。きっと俺以外・・・だろう・・・。
少し…いや、すごく寂しい気もするが、子供の遊びだ、遊び。


「「相談しようっ」」
「そうしようっ」

1人になっても元気よく大きな声で歌っていたカガリ・・・。
でも、次の瞬間、「決まった」と叫ぶと急に大人しくなった。
もしかして、誰を選ぶのかまだ迷っているのか?
まぁ・・・・きっと俺以外だろうけど・・・・。

 


「・・・ア・・・・・・」

アニータ?アルフレド?

「ア・・ア・・・・」

ア?・・・・・・他にアのつく子なんていたっけ?

ア…ア…

 

 

 

あぁ!そういえばアスランってやつが1人・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・ま・・さか・・・・・ッ・・・いや・・・そんな嬉しいこと…ッ
・・・・・・・大丈夫・・・!勝手な期待を裏切られるのは慣れてるんだ…ッ!!

 


勝手な期待なんだから・・・・・・っ

 

 

 


「・・・・・・アスラ・・ン・・・・・」


 

そう、これは、俺の妄想なのかもしれない・・・


 

「・・アスラン・・・が…欲しい・・よ・・・」

 

 

 

 


さっきまでの元気のよさがどこへいってしまったのか、
真っ赤になって下を向いて、蚊のなくような声で・・・・

これが妄想だろうと・・・・
それがあまりにも嬉しくて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて・・・・
ここで俺1人なら、迷わず駆けよって、抱きしめて、
愛してるって言ってキスをして・・・その後もいろいろ・・・・なんだけれども・・・・

今の俺には悲しいことに、カガリに負けず頬を染めることしかできなかった。

 


 

気付けば子供達の視線はこちらを向いている。
その目は、いつもの純粋な瞳なんかじゃなくて、俺を急かすようなそんな瞳。

わかってるよ、言えばいいんだろ。言うに決まってる!!

「………カガリが・・・欲しい・・・・」

自分以外、誰一人声を出すことはなかった。
子供達が囃し立てる。
口笛を鳴らしている子もいた。誰かに背中を押された気もする。

あぁ、大人をからかうんじゃない。

一歩前に出てカガリに近づく。
もう一歩、前に出る。

手を伸ばせば、抱きしめられる距離へ。
触れたくて仕方のない手を必死で押し止め、グーの形で前に差し出す。

「・・・・・・じゃんけん・・・」
「・・・・・・・・・・うん・・・・」

まだ恥ずかしさに下を向いているカガリが同じように右手を差し出し、勝負の用意をした。

 

 

 

 

カガリは最初にグーを出すんだ。

 

「じゃんけん・・・」

 

だから

 

「ぽい」

 

 

 

俺はチョキを出した。

 

 

 

 

 

 


「「「おっしあわせにぃーーー!!!」」」

子供達特有の高めの声が重なって耳に響く。
練習でもしてたかと思うほどの見事なシンクロっぷりだ。

あぁ・・・・・・・俺の行動パターンもバレバレだ・・・・

ちゅーしちゃえー、とかだきしめちゃえーとか・・・はしゃぐ背中越しの声は、笑い声と気配とともに少しずつ小さくなっていったから、
気を利かせてどこかへ行ってしまったのかもしれない。
いや、もしかした隠れてこっそり見ているのかもしれない。

けれど今の俺はカガリしか見えない、見えていない。


「・・・・・・・・・・とりあえず・・・お言葉に甘えて、キスしたい・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・」

俯いたままのカガリの身体を抱きしめた。
金の髪を分け、耳元で「愛してるよ」と囁く。
そのまま自分の唇で頬をなぞりながら、カガリの唇へ。

「・・・・・・・・・・ん」

 

優しく口付けたその後は、

「・・・・・・・・部屋、戻る?」
「・・・・・・・・・・・・・バカ・・・・・」

 

そんな言葉とは正反対に、背中に手を回された。
これがOKってこと、ちゃんとわかっているんだから。

 

 

 

END

 

アスランが勝つVer、カガリが勝つVer、同時進行で考えました。
そしてどちらか一つを捨てられなかったんで(笑)。
どちらがお好みでしょうか?
文章的には3のほうが気合入ってますが(笑)

 

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