GAME 2

 

 

 

 

 


「アスラン!次はこれで勝負だっ!!!」

ノックもなしに開いた部屋の扉の向こう側には、なぜか胸を張っていばってる様に見えるカガリの姿。
それも慣れたアスランにとっては驚くべきことでもない日常の一風景。
しかし、今度は何を持ち出したのかまではわかることはできず、その話題を口にしようとした時、先にカガリが大きな声で言った

「じゃん!!人生ゲーム!!」
「・・・・・・・・なんだ、それ?」
「知らないのか?」


ルーレットを回して、出た目に従いマス目をすすんでいくゲーム。

「最後は富豪になって、幸せになったほうの勝ち!」

そうカガリから簡単に遊び方を聞いたのだが、どうやらこのゲームは、頭を使うというよりはひたすらに運まかせの代物。

 

なるほど
とうとうカガリは運まかせに頼ることにしたのか・・・。

 


その人生ゲームとやらを楽しそうに広げるカガリ。
うきうきとした様子で、私から回していいか?と聞いてくる。

そんな可愛い顔で言われたら、アスランはイヤだなんて言えるはずはない。


・・・・・運には自信がないんだけど・・・・

少しだけそう思ったが、考えてみれば、カガリみたいな素敵な子と出会えたことはなんと運のよいことだろうか?
それともそれで人生全部の運を使い果たしてしまったのだろうか・・・?

考えれば考えるほど答えのでない思いは捨て、今はゲームに集中しようとアスランは、カガリに向き合った。

 

 

 

 

 

 

 

「あ、私宝くじが当たったっ」
「カガリ、すごいな・・・」


先程からカガリがとまるマスは、どれもこれもいいものばかり。

アスランはと言うと・・・・


「・・・・・また1・・・・・・」
「あはははは!!おまえ、それもすごいけどな!」

楽勝を予想したのかカガリは豪快に笑う。
1マスすすんでみたアスランはそこに書かれてあった言葉を読み上げる。

「・・・・・・足を滑らせて沼に転んで怪我をする・・・」
「おまえドジだなぁ!」
「ゲームだ!」

だいたい足を滑らせて沼に落ちるなんて、誰がするものか。


ゲームだなんて主張しながら、過去にそんな経験をしたことは、彼はすっかり忘れていた

 

 

 

 

 

 

 

ゲームはすすんでいく。
はっきり言えばカガリのみ、だが。

そんな順調にすすんでいくカガリが次に止まったマスは・・・・・


「よし!結婚だ!!」
「えぇぇぇぇっ!?」
「・・・・なんだよ」
「だっ誰と!?」
「はぁ?知るわけないだろ?」
「知らないやつと!?」
「ゲ、ゲームの話だろ!」


いくらゲームだろうと、なんだろうと、カガリが自分以外のやつと・・・・
想像しただけではらわたが煮えくり返る


・・・・カガリはきっと騙されているんだ!

 

「俺は絶対カガリと結婚するからな・・・っ」
「ばっ、馬鹿!私はもう結婚したんだってば・・・っ!」
「じゃあ、そいつと別れろ!!」
「む、無理なこと言うなよっっ」


もはや、ゲームだから、なんて言葉は彼の頭の片隅にも存在しなかった。

 

 

 

 

 


「・・・・・・おまえ、さっきから1進むばっかり」
「う、うるさい・・!」


1しか出さないアスランに対して、ひたすら人生を順調にすすめていくカガリにアスランは焦っていた。
自分の片想いで終わらせてたまるか!
なんとしても追いつかなくてはいけない、と


「あ、1人子供が生まれた」
「っ!!!そいつとの子か!?」
「だっだからっ!ゲームの話だってば・・っ」

 

カガリに子供ができてしまった事実(あくまでゲーム)に気が遠くなったアスランだが、このままではいけないと首を思いきり横に振る。
自分がここで絶望して諦めてしまっては、そこで終わりなのだ。

身も知らぬ男(あくまでゲーム)にカガリをとられたままでこのまま大人しくなんてできやしない。


ものすごい剣幕とものすごい確率で1ずつ進んでいくアスラン。

 

 

 

 

そしてそんな想いが天へ通じたのか、彼の望む瞬間はやってきた


「やった・・・・!!」

ぐっと拳を握り、これまでの道のりを思い出してみる。

 

 

1、1、1。

ひたすらに1で突き進んできたアスランの地道で泣けてくる人生は、今、最高の瞬間を迎えていた。


 

そのマス目に書いてあるのはもちろん

 

「カガリと結婚・・・・っ」


言うまでもなく、カガリと、なんてことは書かれてはいないのだが。


 

 

「馬鹿!わ、わたしはもうしてるんだってば・・っ」
「イヤなのか・・・?」
「そうじゃなくって!!」
「じゃ、俺と結婚してくれる・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・だ・・・だから・・・・」

もう結婚してるんだ、と言おうとしたカガリは、アスランがこちらをじっと見つめてることに気づいたら何も言えなくなってしまった

その瞳が近づいてくることにも、
次にされるであろうことも、身体中で理解している


伸ばされたアスランの右手がカガリの左頬に触れる
耳にかかっていた金髪をわずかに摘んだ後、もう一度その指と手はカガリの頬を包み込んだ

「他の男には渡さない」

だから、ゲームなんだからと言ってやりたい。

そうじゃなきゃ、言われなくても誰がおまえ以外の男のところへ行くものか


 

 

「次は・・・・子供欲しいな、カガリに似た」
「・・・・・・・・アスランに似た子のほうがいい・・・・」
「じゃ、2人、産んでくれる?」

 

ゆっくりとカガリに近づくアスランの顔
自然にその唇を受け入れる

 

まったくYESを答える暇もない

 

優しい口付けを受けながらほんの少し唇が離れた時、カガリは疑問に思ったことを聞いてみた。


「アスラン・・・ゲームは・・・?」
「もう、いいよ・・・・俺の負けで」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・当たり前、だ」

 

そして、また口付ける、

そのキスに溺れながらアスランは思い出す。

 

そういえばカガリは、幸せになったほうが勝ちだと言っていた。
富豪にはなれなかったけど、これ以上の幸せはあるものか。

 

 

だからほんとは俺の勝ち、な。

 

 

 

END

 

 

人生ゲームやったことないんですが(笑)
なんか嘘ばっかりだったらごめんなさい。
そして、わずかにネタを頂く。ありがとう(笑)。

 

 

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