やばいやばいやばい・・・!!
なんで私はこんなところで追い詰められてるんだ・・・!?
旅の恥は・・・
事の始まりは20分前―――
久しぶりに二人きりの時間をとりたくて日帰りではあるけど温泉旅行にやってきた。
それはいい。それは。
「二人で入るために・・・温泉にしたんじゃないの?」
なんて馬鹿なことをこいつが言ったから、すかさず私はそんなわけないと言ってやった。
温泉を選んだのは、ここが疲れによく効くという噂があったからだ。
けっっっして、二人で入るために選んだわけじゃない。
第一、
「他の人だっているだろ」
「大丈夫。貸し切り頼んであるから」
・・・・・こいつは・・・!!
どうして、こーゆーことにだけ迷いなくすぱっと決断できるんだ!?
というより、いつの間に!?
「絶対・・・・入らない・・・!」
「・・・・・そう・・・・」
そうだ!!!
たとえどんなこと言われても、そんな恥知らずなことはしない!
結婚前の二人がいっしょにお風呂・・・だなんて・・・!
・・・・まぁ・・・たしかに・・・もうそういう関係ではあるけれども・・・いや・・・なんだ・・・
「カガリ・・・・・」
いや、ダメだ!!とにかくこいつを甘やかしちゃダメなんだ!!
「・・・・・・・・カガリ・・・」
いつだってこの調子で私は甘やかしてしまう・・・!
だから、だから今日こそは・・っ!
「・・・・・・・・・・寂しいな・・」
ぽつりと呟いたその言葉に、あえなく私は落ちてしまった。
それが全ての始まりだった・・・・。
「ア・・・アスラン・・・」
「ん?」
「・・・・・・いや・・・ほんとに無理・・っ・・・だから・・・っ」
「・・・何が・・・?」
お湯をかき分けて近づいてくる逞しい腕。
男のくせに艶のある動きに胸が鳴った。
・・・ど、どきっとしたけど、しただけだ・・・!
なんとかしてこの場を切り抜けなくてはいけない。
こんなところで・・・そ・・・そんなこと・・・をする・・なんて・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・できるもんなのか・・・?
あ!いや、興味があるわけじゃなくって・・・!!!
あぁ・・・もう!!!
とにかく言い訳でも考えればいい・・・!
ここを切り抜くための・・・何かを!
「あの日だから」
って今こいつと一緒に入っちゃってるよ!
しかも周期はばればれだし・・・っ
「そんな気分じゃないから」
なんてことは最初から言っている・・・!!
しかもいつも最後はそんな気にさせられるし・・・って私は何を言ってるんだ!?
「マーナに泣かれる」
・・・・それは黙っていればいいよな・・・ってだからなんで私は私のいい訳を使えなくしてるんだっ!?
い・・・・・言い訳・・言い訳・・・・っ
「・・・アス・・ん・・っ」
あぁ・・・っ!
もう!キスはやめろ・・・ってば・・っ
「んぁ・・・ふ・・んっ!」
おまえキス上手いんだから・・・っ変に・・な・・る・・
じゃ・・じゃなくって・・・ぇ!!!
あぁぁぁ!!!!!
何か・・・何か言わなきゃ・・・!!
「やっぱりダメだって・・ば・・っ!!!」
今の自分が出せる精一杯の大声を張り上げる。
驚いたのか、アスランの動きが止まった。
よし!頑張れ私!!その調子だ・・・っ
・・・・って・・・・?え・・・?
「ちょ・ちょ・・ちょっと・・!」
なんでまた動きだすんだよぉ!
さっきの大声作戦は3秒くらいしか効かなかったぞ!!
「うぅ・・ふぅ・・・っ」
頭抑えつけるなよぉおお!馬鹿!!
これじゃ逃げたくても逃げられないだろう!?
「・・・ん・・・あ・・」
む・・・胸・・・!!気持ちいいから・・・やめろよぉ!!
「・・・・んっ!」
ば・・ば・・ば・・・ばかぁぁぁぁぁ!!いきなり指いれるなぁぁぁぁぁ!!!!
「あ・・・ぁん」
あぁ・・・・もう・・・ダメ・・・かも・・・・・・・
白くなりそうな頭の中で、さきほど言い訳の一つに登場してくれた乳母の姿が思い浮かぶ。
あぁ・・・マーナ・・・ごめん・・・・・
私・・・がんばったんだけど・・・ダメだった・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「岩があたって痛かった」
少し睨みながら言ってやった。
これくらい言わせてくれ。そして、少しは反省してくれ。
「・・・・・・・ごめんな」
・・・・・・・・・・。・・・・はぁ・・・。
どうしてこいつは・・・・もう。
私を許す気分にさせてしまうのだろうか?
それとも、それは、私がどうしようもなくこいつを好きなせいなのか?
どっちにしろ
「・・・・・・・・・・気持ちよかったから・・・いいよ、もう」
「じゃもう1度」
「!!・・・この馬鹿ッッッ!!!!!!!」
あぁ・・・もう。
好きすぎて、受け入れたくて・・・・・
この身がもたないんだ。
だから頼むから、少しは反省してくれ。
END
ギャグですね(笑)。
なんだかんだ言いつつアスランを拒むことのできないカガリ。
彼のことが大好きだもの。
・・・というわけで旅の恥をかき捨てられてしまいました(笑)
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