あの日から・・・そう、アスランがアストロを作成し、カガリに

 

「アスラン、ステキ!大好き!愛してる〜〜〜!ちゅーしちゃうぞvこのこのっ」

 

と言われるのを想像していたあの日から、アスランとアストロの戦いが始まっていたのだ。

 

 

 

 

☆★☆アストロ物語。☆★☆

だいにわ:アストロばーさすアスラン!!

 

 

 

 

 

 

嬉しいことに、カガリはアストロを実に気に入った。

それはもう、正真正銘の「ねこっかわいがり」。

頬擦り、ハグ、ちゅー、抱っこは当たり前。
一緒のベッドで抱き合いながら眠りにつく始末。

 

・・・そう、困ったことに、
アスランの定位置がよりにもよって自分の作った猫に奪われてしまったのだ。

 

これは由々しき事態だ。

頬擦りもハグもちゅーも抱っこも一緒にベッドも、全てが自分のものだったのに・・・。

けれどアスランの苦悩も気付かず、カガリは今日もアストロとどこでもいっしょだ。

 

 

「アストロ〜、おまえ、誰が好き?」


『アストロはね、カガリが1番好きニャ!』


「私もアストロが大好きだ!」


『嬉しいニャ!』

 

久しぶりの休日だと言うのに、カガリはアストロに構いっぱなしだ。
さっきから咳払いをしたり、わざと大きな声で

「今日の晩御飯はケバブかぁ!たのしみだなぁ!!」

なんて独り言を言ったりして、カガリの気を引こうとしたが無駄骨に終わり続ける。

 

おかしい。
今日はお休みだから、真昼間まで裸でいちゃいちゃできる日のはずなのに・・・。

 

アスランは人生の理不尽さを感じていた。


猫は所詮、猫。

カガリを愛してやることなどできないのだ。
なぜ、カガリはそれに気付かない・・・!なぜ!なぜ!?

本気で落ち込むアスラン。絶望を生まれて初めて感じていた。

 

 


けれども無情にも、傷心のアスランの耳に、カガリとアストロの楽しそうな会話は聞こえてくる。

 

『アストロが人間になったら〜、カガリと腕組んでホテルに行ってにゃんにゃんしたいニャ!』

 

「なんだとぉぉおおおぉおお!!!!!!!」

 

さすがアスラン制作と言うべきか。言ってることはただのアスランの煩悩だ。

 

「おまえ、猫のくせに何て事を・・・!!!」


人のふり見て我がふり見なおせ、と言う言葉をアスランは知らないらしい。
アストロの両頬を両手でむぎゅうっと抑えつけながらアスランは怒鳴りつける。


『・・・ニャ・・・アスラン、恐いニャ・・・』


アストロの目がきらりと潤んだ気がしたカガリは、アスランの後頭部をぺちりと叩くと
アスランの手からアストロを救い出す。
もちろん、アストロに涙を流す機能はないのだが・・・カガリにはアストロが涙を零してるように見えたのだ。


「こら!小さい子を苛めるな!」

「か、カガリ・・・っ、でもでも!悪いのはそいつだ・・・!」


まるで小学生の喧嘩だ。
ペットロボ相手に、なぜこんなにも真剣に怒れるのだろうか。

カガリに助けられたアストロは、カガリの胸の中すでに笑顔に戻っている。


なんて切り替わりの早さだ・・・。
カガリのハグ1つで気持ちがころころ変われるなんて、イヤらしい猫だ!!


やっぱりアスランは、人のふり見て我がふり見なおせという言葉を知らないようだった。

 

 

が、ここでめげては、カガリの恋人の名が廃る。

アスランは負けじと言い放つことにした。
ここでびしっとアストロに、主人とぺットの違いを教えなければならない。

カガリは俺のものだと言う事を、しっかり頭の中に叩きつけなければ・・・!

 

「おまえを作ってやったヤツは誰だ!?ご主人様は誰だ!!」


『それは置いといて・・・』


「置くな!置くな!聞けぇぇぇい!!」

 

アストロはアスランの叫びも気にせず、
『カガリ、大好きニャ〜、ハグ!』と、カガリにぎゅうっと抱きつく。

 

「!!・・・あ、あ、アストロ!おまえ、カガリに甘え過ぎだ!!カガリは俺のものだ!」


『カガリが愛してて、ぎゅって抱きしめたい人って誰ニャ?』


「無視!?」

 

今のアスランに威厳はなかった。(いや、いつもないが)
アストロは、アスランの言葉に耳を傾けずににこにこ顔でカガリに話しかけている。


繰り広げられている漫才を笑いながら聞いていたカガリは、
アストロの問いかけにはっとなり、少しだけ頬を染める。

そんなの決まっている。

 

「大好きでぎゅーってしたい人かぁ・・・それはやっぱり・・・」


「アストロォォ!聞け!カガリが抱きしめたいヤツは、俺だ!アスランだぁっ!!」

 

カガリが答える前にアスランが大きな声をあげて答えた。

 

『アスランはもう知ってるニャ!男の人で、カガリの下僕ニャ!』


「下僕!?俺、下僕!?」

 

ご主人様どころか、下僕に見られていたようだ。

 

 


「くそっ!!一体どこの誰だ!こんなプログラムしたのは・・・っ!」

それはおまえだろう。

 

『カガリ、大好きニャ〜』

 


1番愛していて抱きしめたい人がアスランだと伝えられなかったけれども・・・

こんなアスランとアストロの戦いの日々を、
なんだかんだ言いつつ仲がいい2人(?)を微笑ましくカガリは見守る日々なのである。

 

 

 

 

 

 

つづく。

 

 

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