※アストロ物語のテキトーな あらすじ。


朝っぱらからベッドの中でいちゃこらしていたアスランとカガリ。
偶然つけていたテレビ(めざ○しTV)に出ていた某白猫にカガリは目を奪われる。
アスランはそんなカガリのために(と言いながら喜んだカガリにたくさんお礼をしてもらうため)
黒い毛と碧の瞳の猫、をとんでもないスピードで完成させた。
カガリが絡むと仕事が早い。

その子の名前は『アストロ』。

誰に似たのか口達者でえっちな言葉をどこかで覚えて来るおませさん。
カガリを一人占めするアストロに、当初の狙い(いちゃいちゃするぞー!)を奪われたアスランは、
アストロとカガリ争奪戦を繰り広げながら惨敗を繰り返して行く。
けれどそれでもホントは、アストロのことを可愛くって憎めないのだった。

そんなある日、カガリは決意をする。
「アストロを孤児院の子供たちのところへ!」と。
子供たちに笑顔になってもらいたいと、カガリは寂しさをこらえ決断したのだ。


そうしてアストロは、アスランがもう一匹産んでくれた、
金色の毛と瞳の『カガトロ』といっしょに旅立ったのだったのニャー・・・。

 

 

 

 

 

 

 

アストロがカガトロと孤児院のみんなのもとへ旅立ってから幾日後。
次はいつ会えるのかなと寂しそうに呟くカガリの願いが叶うのは案外早かった。

 

『ただいまなのニャ〜』

 

「「アストロ!?」」

 

 

 

アストロ物語 SP


☆★☆アストロ帰省編・前編☆★☆

 

 

 


今日も無自覚でラブラブな一日を過ごしているアスランとカガリが3時のおやつを取っている時・・・
おっきなリュックサックを背中いっぱいに背負ったアストロがアスハ邸に戻ってきた。
あまりに突然のことだったので、
ティーポットから注がれていたいい香りと評判の紅茶を少し零してしまったのに気付かず、
カガリは目を白黒させてアストロを見る。
一瞬思考が停止していたものの嫁ぎ先で何かあったのかなんて考える余裕もなく、
いや、嬉しさのあまりそんなことはどうでもよくなりカガリはアストロに駆けよって抱きしめた。

「アストロだぁ!!」

『ただいまニャ〜、カガリィ〜』

ぎゅうっと抱きしめられてちょっとだけ苦しいアストロも、カガリの温もりに心をあったかくして言葉を返す。
久しぶりの互いの感触にちょっとだけ感動さえもして、涙が零れそうになった。
カガリの柔らかさはアストロを安心させる、ママの温もり。

「いつまで抱きしめあってるんだ」

『ニャ?』

けれど、そんな生き別れの親子の再開を阻む悪の手先のような男が一人。
・・・正しくはヤキモチ妬きの男が一人。
その男の強い力に引っ張られてアストロはカガリから引き剥がされた。
誰に引っぺがされたのかなんて聞くまでもない。

『アスランなのニャ!』

そう、ヤキモチ妬き男アスランだ。
どうやらカガリと仲良く抱き合っていたのが悔しかったらしい。
何とも言えない表情でアストロを見ているがアストロは気にせず今度はアスランにも抱きついた。

『アスランニャ〜!会いたかったのニャ〜!ニャ〜!』

「あ、あぁ・・・」

ふいうちのようなハグにアスランは何故か頬を赤らめた。
ちょっと嬉しいらしい。

やっぱりアストロは俺の息子だ、俺が好きでたまらないんだ・・・ははは!可愛いヤツめ!
と結論付けてアストロを優しく抱きしめてあげようと小さな身体に手を回す。

すると、

『アスランはダメニャ!抱き心地サイアクなのニャ!』

そう言いながらスルリとアスランの手から抜け出した。

「・・・」

『カガリのほうが気持ちいいのニャ〜!』

「ふふふ、アストロってば〜!」

無邪気にすりよって来たアストロをぎゅうぅぅうううぅうっと抱きしめるカガリ。
嬉しそうにカガリのふくよかな胸に埋もれ甘えるアストロ。

一人取り残されるアスランの、宙に浮いた手が虚しい。

「ふふふ、アストロ大好きだ〜」

『アストロも大好きニャ!』

「・・・・・・・・。俺は?」

精一杯の虚しい独り言は、楽しそうに戯れるカガリには届かなかった。

「・・・・・・・・・・・・俺は・・・?」

だから届かないって。

 

 


『あ!忘れるとこだったニャ!』

いきなりそう大声をあげるとアストロはカガリの胸から離れていく。
そんなアストロを見て、やっと離れたか、とアスランは大人気ないことを思った。

『アスラン、お願いがあるのニャ』

くるりとアスランのほうへ振り返ると、よいしょ、とアストロはリュックを下ろし
そこから手のひらに収まるくらいの小さな人形を取り出す。
よくよく見れば人形と言うよりはロボットだ。
男の子が楽しく遊ぶような、リモコンで動きそうなそんなオモチャ。

「これが何だ?」

アストロから手渡されたそれをアスランはじっと見る。
そして機械や工作好きな彼はすぐに気が付いた。

「動かないんだな・・・」

『そうなのニャ!』

つまりはこれをアスランに直して…ならぬ治してもらいたいんだろう。
ふ、とアスランは小さく笑う。
この世にアストロを生み出したのはアスランで、
いつもアストロのメンテナンスはアスランの役目だった。
きっとアストロには、自分の指はまるで魔法のような指先だと思ったに違いないだろう。

「まったく。俺が頼りになるからって」

『アスランならタダなのニャ!』

「・・・」

どうやら違うようだ。
アスランはアストロをジト目で睨みつけたが、やっぱりアストロには効果なし。
ニコニコ微笑んでいるだけだ。
タダより高いものはない、という言葉を回路に組み込んでやろうか。とも考えたが、
ここは大人しくさっさとアストロの頼み事を聞いて孤児院に帰すのが1番だろうと思い引きうけることにした。

・・・念の為に言っておくが、アストロをさっさと帰してカガリと二人きりになりたいと思ったわけではない。
と思いたい。

「仕方ない・・・。直してやるよ、これ1つなら10分もあれば・・・」

『あ、違うニャ』

「は?」

『えっと〜、これ、とこれとぉ、これとこれと・・・』

リュックサックから次々にオモチャを取り出すアストロ。
詰め込むだけ詰め込んでいたらしい。
まるで某アニメの四次元ポケットのように溢れ出てくるオモチャたちを見てアスランは頭を抱えたくなる。
中には真っ裸の女の子の人形もあったりして・・・

「ちょっと待て。これはどうすれば?」

その人形を指差して尋ねると、

『この子はマリーのリガちゃんにゃのニャ!洋服を作って欲しいのニャ!』

「・・・それも俺がやるのか?」

『だって、アスランならタダなのニャ!』

という答えが返ってきた。

もはや父親・母親というよりおさんどん。
そのうち子供たち全員の弁当を頼まれそうだ。

しかしここで断るのも可哀想である。
きっと施設の子供たちもアストロの帰りを首を長くして待っているに違いないし、
多分そこでお留守番をしているカガトロは寂しい思いをしているだろうし、すぐにでも帰してやりたい。

「仕方ない・・・やってやるよ」

『うわぁ!さすがアスラン!』

要領のよさは一体どちら似か。
作ったアスラン本人が知りたいものである。

「アスラン、私手伝うぞ?」

アスランよりはるかにぶきっちょだということを自覚はしているものの、
目の前の大量のおもちゃを手に途方にくれかけている彼を見て助け舟を出す。

裁縫なら何とかできるかも…と
自信なさそうにアスランの手からリガちゃん人形を受け取ろうとするより先にアストロが口を開く。

『カガリには、宿題をみてほしいのニャ〜』

「え!?しゅ、宿題!?」

宿題と聞いてカガリの顔色がさっと変わった。
これにはあんまりいい思い出がないのだ。

カガリは家庭教師のもとで勉強をしていたが、
普通の子と同じようにアスハの名を隠して学校に通っていた時期もある。
その頃、学校の先生に出された夏休みの宿題も冬休みの宿題も
ギリギリになって泣きながら始めて苦しむというニガすぎる過去がある。

ある年の夏休みの宿題には、本当に提出日前日に泣き喚きながら手を付けたところ、
どうしても間に合いそうになかった「絵」をこっそりキサカに手伝ってもらったことだってある。

タイトル「お父様」。

その絵は校内でも話題になり、その年の校内芸術賞を受賞した上に
今は亡き父上を「深い愛がこもっている」と大喜びさせたものだったのだが、
100%キサカ作品だということに気付かれないかヒヤヒヤものだった。

この事件から10年ほど。
未だにカガリがキサカに逆らえない1番の理由であるのはカガリとキサカしか知らないことである。

そんなカガリにとって宿題という言葉はケバブでいうヨーグルトソース並にご法度にして禁句。

怯みそうになりアスランに助けを求め様としたが・・・
アスランの手にある玩具たちを見てぐっと飲み込んだ。

アスランはアスランでアストロに手渡された玩具の修理、プラス洋裁が待っているのだ。
彼なら自分のためならそれくらい喜んで引きうけるだろうが、
ここで甘えてはいけない!とカガリは力強く意気込んだ。

「よ、よし!ドンと来いっっ!国語と社会と数学と理科と外国語と図画工作絵画以外なら大丈夫だ!!」

それ全部だろう。

『うわぁ〜、さすがカガリ〜!たのもしいニャ!』

アストロはぴょんぴょん飛び跳ねながら嬉しさを身体で表現する。
その、まさしく子供の、無邪気な姿を見ながらカガリは考えた。

…アストロの宿題って言ったら、子供たちの宿題だよな…?
…そ、それくらいなら、何とか…!!…………………………たぶん…。

アストロの片親としていいところも見せたいとカガリは意気込む。

「だ、大丈夫か…?カガリ…?」

「お、おまえ!今、すっごいバカにしただろ…ッ!?」

「え!?い、いや…そ、そんな事は…」

「わ、私はこう見えたって、5教科はオール3だったんだからな…!」

「…………カガリ…大して高くないぞ…」

「うるさーいぃ!」

アスランの優しいツッコミも虚しく、
オール3の意地っ張りカガリは一人でアストロの勉強を見ることになった。

ちなみにオール3の成績は、10段階評価だということをアスランは露知らず…
こうしてアスランとカガリはそれぞれの仕事に取り掛かる事になった。

 

 

 

 

 

つづく。

 

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